■正17角形と正18角形(その9)

 ラングレーの問題は,誰でも一度は取り組み,誰もが一度は悩んだことがある問題と思われます.

 『四角形ABCDにおいて,∠ABD=20°=a,∠DBC=60°=b,∠BCA=50°=c,∠ACD=30°=dのとき,∠ADB=eの大きさを求めよ.』

 出題形式は多少異なるものがあり,四角形でなく二等辺三角形において角度を求めるという形で知っている方も多いと思われますが,どちらも同じ問題になっています.種明かしをすれば,この問題は頂角が20°の二等辺三角形と関係していて,したがって,正18角形の対角線の交点と関係しています.

 正18角形を描いて対角線を引けば,この問題の図が現れるというわけですが,正18角形の対角線の交点数は1837(2重点1512個,3重点216個,4重点54個,5重点54個).n=18の場合は5重点が中心以外での多重度最大の交点で,6重点以上はnが30の倍数でないと出現しません.また,正18角形をすべての対角線で分断したときの断片数は2466にもなります.

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 3点A,B,Cの内部に点Dがある場合において,すべて整数度の角をもつ整角三角形の問題も一連の「4点角問題」です.

 たとえば,

[Q]三角形ABCおよびその内部の点Dにおいて,∠ABD=30°=a,∠DBC=42°=b,∠BCA=54°=c,∠ACD=18°=dのとき,∠BAD=eの大きさを求めよ.

は数学/算数オリンピックの中学生版である「広中杯全国中学校数学大会」で出題された問題だそうです.

 この場合,二等辺三角形の頂角は36°,底角は72°ですから,五角形AEBCFが正五角形となるように点E,Fをとれば,正五角形と正三角形を組み合わせた図形を用いて実にスマートな証明が可能となります.

 e=24°がその解答ですが,斉藤浩さんのアイディアの賜物が一冊の本

  [参]斉藤浩「ラングレーの問題にトドメをさす!」現代数学社

として誕生することになったのは,この整角三角形のパラメトリック変形がきっかけとなっているそうです.

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