■相転移の幾何学(その33)
鉄が温度を上げるとFCC←→BCC(α鉄←→γ鉄)変移します.これは分子運動が活発になり,格子状体が崩れて(分子間の隙間があいて)再結合されるのだと思います.
抽象的に,FCCの穴(ボロノイ図形の頂点)がBCCを作るという関係がありますが,FCCとBCCは本来別物で,Mf←→Mbの変換という趣旨がいまひとつはっきりしません.
また,基底ベクトルの取り方はそれぞれ無限にありますから,前述の基底ベクトルの一組
[−1,−1,0],[1,−1,0],[0,1,−1]
[2,0,0],[0,2,0],[1,1,1]
を相互にに移す行列を構成しても(数学的にはともかく)物理的ないし格子そのものには本質的な意味はないように思われます.
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