■相転移の幾何学(その20)
【5】練習問題
サマーヴィルの等面四面体は外心・内心・重心が一致するなどの幾何学的性質をもっている.また,相対する辺の長さが等しく,6辺は直方体に内接するので,直方体の頂点を結べば等面四面体が出来上がる.これらの性質を利用して,体積を求めることができるが,発展性を欠くので,ここではオイラーの4面体公式を使って問題に答えることにする
[Q]サマーヴィルの等面四面体(3辺の長さが2,√3,√3の等面四面体)の体積を求めよ
[Q]3辺の長さが1,b,1の等面四面体の体積が最大となるbの値は?
[Q]サマーヴィルの等面四面体(3辺の長さが2,√3,√3の等面四面体)と1辺の長さが√3の正四面体の高さを比較せよ
[Q]3辺の長さが1,b,1の等面四面体の高さが最大となるbの値は?
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【6】合同な三角錐による空間充填
どんな形の三角形でも平面を過不足なく敷きつめることができるのに対して,空間を隙間なく埋め尽くせる三角錐はごく稀です.サマーヴィルの等面四面体やヒルの直角錐はその稀有なる例です.
逆説的に聞こえるかもしれませんが,空間充填可能な三角錐は無数にあります.正三角柱への埋め込みが可能な三角錐に限定しても無数にあるのです.
ここでは,空間充填可能な三角錐は無数にあること,正三角柱への埋め込みが可能な三角錐は、ゴールドバーグ基準
AB=BC=CD=a, AC=BD=b, AD=c
c2=3(b2-a2)
を満たさなければなりません.
サマーヴィルの等面四面体では(a2,b2,c2)=(3,4,3)
ヒルの直角錐では(a2,b2,c2)=(1,2,3)
それ以外では(a2,b2,c2)= (4,6,6),(5,8,9), (6,10,12)など,無数にあります.これらは同時に二等辺三角柱への埋め込みも可能であることを申し添えておきます.
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