■相転移の幾何学(その8)
【1】二項係数の偶奇性
(Q)(a+b)^nの二項展開の係数は,nが2^k−1の形であるとき,そのときに限りすべて奇数となることを証明せよ.
(A)(a+b),(a+b)^2,・・・,(a+b)^n-1に対して成り立っていると仮定して,(a+b)^nに対しても成り立つことを証明する.
両端の1を除くn−1個の二項係数は
n/1=n,n(n−1)/1・2,・・・,n(n−1)・・・1/1・2・・・(n−1)=n
これらがすべて奇数であるための必要十分条件は
[1]両端のnが奇数であること
[2]残りの数の分母、分子から奇数を取り去って作られる数が奇数であることである.
n=2m+1とおけば,これらの数は
m/1=m,m(m−1)/1・2,・・・,m(m−1)・・・1/1・2・・・(m−1)=m
で表される.m<nであるから,このm−1個の数はmが2^k-1−1の形であるとき,そのときに限りすべて奇数となる.
n=2m+1=2(2^k-1−1)+1=2^k−1
より,QED.
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