■筋交い構造(その8)

 コラム「筋交い問題と冗長性」ではn×m格子の最少筋交い数について考えたが,ここでは頂点数v,辺数eの棒材・接点の骨組み構造の剛性を扱うことにする.

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【1】2次元骨組み

 各頂点において力学的釣り合いが満たされなければならない.結論を先にいうと,v頂点を抑え込むのに必要な最少の棒材数は

  e=2v−3

である.

 2次元では

  e≧2v−3

によって,剛体か否かの判別が行われるのであるが,e=2v−3を満たすにも関わらず剛体でない場合,棒材の組み替えによって,頂点の位置を動かさずに剛体に変換することができる.

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【2】3次元骨組み

 3次元の棒材・接点の空間骨組み(面には堅い板が使われていないものとする)ではどうだろうか?

 正四面体,正八面体,正二十面体は剛性をもつ.どのような凸多面体もすべての面が三角形であれば剛性である.しかし,立方体や正十二面体は剛性をもたない.

 一般に,v頂点を抑え込むのに必要な最少の棒材数は

  e=3v−6

である.

 たとえば,正四面体(v,e)=(4,6),正八面体(v,e)=(6,12),正二十面体(v,e)=(12,30)は剛体である.しかし,立方体(v,e)=(8,12)は剛体ではなく,あと6本の棒材を追加する必要がある.そして,立方体の6つの面の対角線に棒材を追加することで剛体構造にすることができる.

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