■準周期的構造(その7)

 合同な菱形30枚からなる菱形30面体は正12面体と正20面体のあいのこ多面体です.長い対角線を結ぶと正20面体,短い対角線を結ぶと正12面体ができます.どちらも同じ対称性(正20面体群)をもっています.

 コラム「菱形30面体の木工製作」において,中川宏さんがもう一つの菱形30面体の木工製作法を考え出されたことを紹介しました.これまでは菱形三十面体を正20面体経由で作っていたのですが,立方体から直接木工製作する方法です.

 5回対称性を有する多面体として,サッカーボール(切頂20面体)があげられます.正20面体では1つの頂点に5枚の正三角形が集まっていますが,正三角形のどの辺も3等分しそれらの点を結ぶと20枚の正六角形と12枚の正五角形が現れます.これが切頂20面体です.

 また,セパタクロー(東南アジアのスポーツで足を使うバレーボール)の蹴鞠は12・20面体です.これは正20面体を辺の中点で切ってできる多面体で,菱形30面体の双対になっています.

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