■原子の構造(その13)
球面上の座標は
x=rsinθcosφ
y=rsinθsinφ
z=rcosθ
で定まります.
電子の密度分布を計算するには極座標を使うのが便利で,水素原子の電子の波動関数を極座標で表すと,
{−h^2/2m(d^2/dr^2+2/r・d/dr+Λ/r^2)−q^2/4πε0r}Ψ(r,θ,φ)=εΨ(r,θ,φ)
Λ=1/sinθ・d/dθ(sinθd/dθ)+1/sinθ・d^2/dφ^2
変数分離
Ψ(r,θ,φ)=R(r)Θ(θ)Φ(φ)=R(r)Y(θ,φ)
を行って,固有関数R(r),Θ(θ),Φ(φ)を決めるのですが,
[1]R(r)に関して,主量子量n(n=1,2,3,・・・)が現れる.
[2]Θ(θ)に関して,方位量子量l(l=0,1,2,・・・)が現れる.
[3]Φ(φ)に関して,磁気量子量m(m=0,1,2,・・・)が現れる.
l≧m
[4]電子のエネルギーは主量子量nによってとびとびの値をとる.
[5]電子の空間密度分布は方位量子量lによって決まり,s(l=1),p(l=2),d(l=3),・・・の軌道をとる.
[6]角運動量もとびとびの値をとる.全角運動量を表す量子数にはj,角運動量の方位を表す量子数には方位量子量l,角運動量のz成分(磁気能率)を表す量子数にはmが使われる.
[7]スピン磁気量を表す量子数にはmsが使われる.
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