■原子の構造(その4)
ボーアの理論は,電子が原子核の回りを周回する際,
[1]運動方程式
mv^2/r=ke^2/r^2
にしたがうが,
[2]量子条件
mrv=nh/2π (hはプランク定数,n=1,2,3・・・)
を満たす定常状態だけが許される
というものである.
その軌道半径とエネルギーはnの関数となる.
r=(mrv)^2/mke^2=n^2×5.3×10^-11=rn
E=−ke^2/2r=−13.6/n^2=En
n=1とすれば最もエネルギーの低い基底状態であって,(その3)に掲げた値を与えてくれる.
クーロン・ポテンシャルがeV(エレクトロンボルト)に対して,X線のエネルギーはkeVの単位,核力のポテンシャルはMeVでとても強く,長距離力のクーロン力と違って短距離で働いていることが放射線のけた外れに大きなエネルギーの源になっているのである.
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