■ダ・ヴィンチ構造(その6)

球面三角法

半径1の球面(単位球面)上に3点A,B,Cがあり、それぞれが大円の弧で結ばれているものとする。球面三角形ABCの3辺の長さ(球面距離)をα,β,γで表すとそれぞれ大円の中心角となる。すなわち、単位球では球面距離を中心角と同一視できる。また、内角A,B,Cは大円同士が交わる面角の大きさである。球面三角法の公式は多数あるが、ここで用いるのは球面余弦定理:cosγ=cosα・cosβ+sinα・sinβ・cosCとその巡回置換、それに球面三角形ABCの面積Sを角過剰として表したS=A+B+C-πの2つだけである。n角形はn-3本の対角線によりn-2個の三角形に分割されるので、球面四角形と球面五角形ではそれぞれS=A+B+C+D-2π, S=A+B+C+D+E-3πとなる。

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例1:ねじれ多面体(等間隔3分割・面正則)

ねじれ立方体は立方体の各面上にねじれた正方形を配置し、これらの頂点をほかの面の正方形の頂点と線で結ぶことによって得られる6個の正方形と32個の正三角形からなる図形である。この方程式は既約3次方程式になることから、定規とコンパスで作図可能でないことが理解される。双対関係により、正八面体の各三角形面上のねじれた正三角形を枠組みとして構成することもできる。同様に、ねじれ正12面体(図1)は正12面体あるいは正20面体を枠組みとして構成可能で、ねじれ正4面体は正20面体と同型になる。弧状構造材(図2)はひとつのピースに等間隔に4つの切込みがあり、隣り合う切込み同士のなす中心角をαとすると、ねじれ立方体・ねじれ正12面体・ねじれ正4面体型の球体の大円上にあるためにはそれぞれα=40.48度、26.14度、52.93度、ピース数はそれぞれ12、30、6となる。

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