■フェルマーの最終定理と有限体(その177)
【4】ラマヌジャンの関数
ラマヌジャンは,
Δ(z)=η(z)^24=qΠ(1-q^n)^24=Στ(n)q^n
zは虚部が正の複素数で,q=exp(2πiz)
η(z)はデデキントのイータ関数,η(z)=q^(1/24)Π(1-q^n)
を考え,そのフーリエ係数τ(n)を計算しました.
τ(1)=1,τ(2)=-24,τ(3)=252,τ(4)=-1472,τ(5)=4830,τ(6)=-6048,
τ(7)=-16744,τ(8)=84480,τ(9)=-113643,τ(10)=-115920,
τ(11)=534612,τ(12)=-370944,・・・
無限積をベキ級数に展開した式(フーリエ展開)が登場しましたが,このΔ(z)は,重さ12の保型形式
Δ(az+b/cz+d)=(cz+d)^12Δ(z)
と呼ばれるものになっていて,オイラーの五角数公式の拡張(24乗版)と考えられます.
ラマヌジャン数は,オイラーの分割数のアナローグであり,
(1)mとnが素ならば,τ(m)τ(n)=τ(mn)
τ(2)*τ(3)=-6048=τ(6),τ(2)*τ(5)=-115920=τ(10)
τ(3)*τ(4)=-370944=τ(12),τ(2)*τ(9)=2727432=τ(18)
τ(4)*τ(5)=-7109760=τ(20),τ(3)*τ(7)=-4219488=τ(21)
(2)τ(p^(n+1))-τ(p^n)τ(p)=-p^11τ(p^(n-1)) (漸化式)
(3)τ(n)=σ11(nの約数の11乗の総和) (mod 691)
(4)τ(n)=n^2σ7 (mod 27)
(5)τ(n)=nσ3 (mod 7)
など,驚くような性質をもっています.
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