■フェルマーの最終定理と有限体(その121)

【1】ラマヌジャンの分割数

 τ(p)はpが増加するとき,急激に増加するのですが,1974年,ドリーニュによって,ラマヌジャン予想,

  |τ(p)|<2p^(11/2)

が証明されています.この式はp^(-s)=xとおいた2次式

  1-τ(p)x+p^11x^2

の虚根条件(判別式:τ(p)^2-4p^11<0)となっていることに注意して下さい.

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【2】オイラーの分割数

 オイラーの分割数p(n)のおよその大きさを決めるのは難しい問題でしたが,1918年,ハーディーとラマヌジャンによって,円周法による漸近近似式:

  p(n) 〜 1/4n√(3)exp(π√(2n/3))

が与えられています.

 その後,分割関数はラーデマッハーによって修正され,完全な明示公式

  p(n)=1/π√(2)Σk^(1/2)Ak(n)d/dn{sinh(πλn√(2/3))/λn}

  λn=√(n-1/24),Ak(n)には1の24乗根が関係する

が与えられました(1937年).

 コラム「分割数の漸近挙動」では,p(n)の粗いがそれなりによい評価式を求めていて,それによると

  exp(2√n)/exp(5)n^2≦p(n)≦exp(π√(2/3n))

したがって,十分大きなnに対しては

  exp(c1√n)≦p(n)≦exp(c2√n)

となる評価が得られたことになります.ラマヌジャンの結果より粗いのですが,関数の増加に対するオーダーがわかればそれでよしとしましょう.

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