■フェルマーの最終定理と有限体(その120)
【1】オイラーの分割数
ラマヌジャンはp(n)が満たす合同式について
p(5n+4)=0 mod5
p(7n+5)=0 mod7
p(11n+6)=0 mod11
p(599)=0 mod5^3
p(721)=0 mod11^2
を予想し,それらを証明しています.
さらに,
d=5^a7^b11^c かつ 24n=1 (mod d)
ならば,
p(n)=0 (mod d)
を予想していますが,n=243の場合,
p(243)=133978259344888
は,24・243=1 (mod 343)であるにもかかわらず,d=7^3=343では割り切れない.(この予想は誤りであった.)
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【2】ラマヌジャンの分割数
一方,τ(n)はmod7,mod23,mod691と大変よい関係にあることがわかっている.
τ(7n)=0 mod7
τ(7n+3)=0 mod7
τ(7n+5)=0 mod7
τ(7n+6)=0 mod7
τ(23n+k)=0 mod23 (kが23の平方非剰余のとき
τ(n)=σ11(n) mod691 (σ11(n)はnの約数の11乗の和)
τ(n)のおよその大きさを決めるのは難しい問題であったが,ラマヌジャンは素数pに対して,
|τ(n)|≦2p^11/2
が成り立つことを予想し,1973年,ドリーニュはこれが正しいことを証明した.
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