■フェルマーの最終定理と有限体(その116)
【2】保型形式とラマヌジャンの愛した和
ラマヌジャンは
Σn^5/{exp(2πn)-1}=1/504
Σn/{exp(2πn)-1}=1/24-1/8π
Σn^3/{exp(2πn)-1}=1/80(ω/π)^4-1/240
Σ1/n{exp(2πn)-1}=-π/12-1/2log(ω/√2π)
も証明している.
ここで,πとωはそれぞれ,
π=2∫(0,1)1/√(1-x^2)dx=3.14159・・・(円周率)
ω=2∫(0,1)1/√(1-x^4)dx=2.62205・・・(レムニスケート周率)
∫(0,1)1/(1-x^4)^(1/2)dx=Γ^2(1/4)/2^(5/2)π^(1/2)
ガウスの算術幾何平均
M(a,b)=π/2/∫(0,π/2)dθ/(a^2cos^2θ+b^2sin^2θ)^(1/2)
より
M(√2,1)=π/ω
また,レルヒの公式
Δ(i)=(ω/π√2)^12=Γ^24(1/4)/2^24π^18
E4(i)=3(ω/π)^4=3Γ^8(1/4)/64π^6
もこの兄弟分にあたる.
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どうやってこれらの級数を証明したらいいのだろうか?
アイゼンシュタイン級数
E6 → Σn^5/{exp(2πn)-1}=1/504
E2 → Σn/{exp(2πn)-1}=1/24-1/8π
E4,ラマヌジャンのΔ → Σn^3/{exp(2πn)-1}=1/80(ω/π)^4-1/240
を用いればこれらを証明できるということであった.
[参]黒川信重・栗原将人・斉藤毅「数論U,Fermatの夢と類体論」岩波書店
からの受け売りの証明を記しておく.
Ek(-1/z)=z^kEk(z) (双対性)
にz=iを代入すると−1/i=iになることを利用するのである.
Σn^5/{exp(2πn)-1}=1/504
(証)E6(-1/z)=z^6E6(z)にz=iを代入すると,E6(i)=i^6E6(i)=−E6(i)よりE6(i)=0
E6(i)=1−504Σσ5(n)exp(-2πn)=1−504Σn^5/{exp(2πn)-1}
Σn/{exp(2πn)-1}=1/24-1/8π
(証)E2(-1/z)=z^2E2(z)+6z/πiにz=iを代入すると,E2(i)=-E2(i)+6/πよりE2(i)=3/π
Σσ(n)exp(-2πn)=Σn/{exp(2πn)-1}=1/24-1/8π
Σn^3/{exp(2πn)-1}=1/80(ω/π)^4-1/240
(証)レルヒの公式より,E4(i)=3(ω/π)^4
E4(i)=1+240Σσ3(n)exp(-2πn)=1+240Σn^5/{exp(2πn)-1}
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