■フェルマーの最終定理と有限体(その115)

 1916年,ラマヌジャンはラマヌジャン数のゼータについて考え,ある予想をたてました.ラマヌジャン数のゼータ,すなわち,

  L(s)=Στ(n)n^(-s)

とおくと(オイラー積のアナローグ)

  L(s)=Π{1-τ(p)p^(-s)+p^(11-2s)}^(-1)

が成り立つことを予想したのです.

 

 ラマヌジャン数のゼータは,歴史上最初の2次のゼータといえるのですが,新種のゼータに関するこの予想は,翌年,モーデルによって証明されました(1917年).

 

 また,τ(p)はpが増加するとき,急激に増加するのですが,1974年,ドリーニュによって,ラマヌジャン予想(ハッセの定理のアナローグ),

  |τ(p)|<2p^(11/2)

が証明されています.

 

 なお,佐藤予想のもとで

  τ(p)=2p^(11/2)cosθp

とおくと,任意に固定された0≦a≦b≦πに対して,偏角θpが[a,b]となる素数密度は

  2/π∫(a,b)sin^2θdθ

で与えられるだろうという予想がたてられています(セール,1968年).

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