■合同数の話(その30)
【1】タネルの定理(合同数の判定アルゴリズム)
A=1,2,3,4は合同数ではなく,A=5,6,7は合同数であるが,与えられた正の整数Aが合同数であるかどうかを判定する手順については,タネルの定理(1983)
「Aを平方因子をもたない正の奇数とすると,Aが合同数ならば
2x^2+y^2+8z^2=Aを満たす(x,y,z)の組数は,2x^2+y^2+32z^2=Aを満たす(x,y,z)の組数の2倍に等しい.(BSD予想が正しいならば逆も成立する.)」
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f(A)=#{(x,y,z)|2x^2+y^2+8z^2=A}
g(A)=#{(x,y,z)|2x^2+y^2+32z^2=A}
h(A)=#{(x,y,z)|4x^2+y^2+8z^2=A/2}
k(A)=#{(x,y,z)|4x^2+y^2+32z^2=A/2}
平方因子を含まないAに対して,タネルの定理が適用できる.#は(x,y,z)の個数を表す.Aが奇数のとき,Aが合同数であればf(A)=2g(A)のであるが,Aが偶数のとき,Aが合同数であればh(A)=2k(A)となつというのがタネルの定理である.
たとえば,h(2)=2,k(2)=2→A=2は合同数ではない.
タネルの定理の逆,たとえば,
f(5)=0,g(5)=0→A=5は合同数である.
が成り立つためには,BSD予想が正しいことを仮定しなければならないのである.
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