■フィボナッチ数列の分布法則(その123)
最初の8項の和は
1+1+2+3+5+8+13+21=54=55−1
10番目のフィボナッチ数から1引いたものになります.
一般に
F1+F2+F3+・・・+Fn=(F3-F2)+(F4-F3)+(F5-F4)+・・・+(Fn+2-Fn+1)=Fn+2-1
に等しくなります。
最初の10項の和は
1+1+2+3+5+8+13+21+34+55=143=144−1
もし、F12=12^2=144であることを知っていれば、あっという間に答えを告げることができます.
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2乗和の公式は
F1^2+F2^2+F3^2+・・・+Fn^2=FnFn+1
となります
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フィボナッチ数は多くの性質をもっていて,以下にいくつか紹介しておきます.
Fn・Fn+2=Fn+1^2−(−1)^n (カッシーニの公式)
F1+F2+F3+・・・+Fn=Fn+2−1
F1+F3+F5+・・・+F2n-1=F2n
F2+F4+F6+・・・+F2n=F2n+1−1
F1^2+F2^2+F3^2+・・・+Fn^2=Fn・Fn+1
有名な幾何学的パラドックス<64cm^2=65cm^2>は,「不思議の国のアリス」の作者であるルイス・キャロルが創ったとも,パズルの大御所であるサム・ロイドが創ったともいわれているパズルです.きっと,いろいろな本でみたことのある方も多いと思います.
このトリックは一直線をなすように使われた2つの線分の傾き3/8,5/13の相違がわれわれの視力の限界外となる錯覚を利用したもので,もっと先の数,たとえば8/21とかを使えばより巧妙なトリックになります.公式
Fn・Fn+2=Fn+1^2−(−1)^n
は,3つ並んだフィボナッチ数の真ん中の数の平方は前後の2つの数の積より1大きいか小さいかのどちらかで,このトリックパズルのもとになっています.
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Fn+2= Fn+1+ Fn
Fn+3=2Fn+1+ Fn
Fn+4=3Fn+1+2Fn
Fn+5=5Fn+1+3Fn
・・・・・・・・・・・
Fn+k=FkFn+1+Fk-1Fn
ここで,k=n,2n,・・・とすると
F2n=FnFn+1+Fn-1Fn
F3n=F2nFn+1+F2n-1Fn
・・・・・・・・・・・・・・
よりFknはFnの倍数であることがわかります,
いいかえれば,3つ目ごとのFnが偶数,4つ目ごとのFnはF4=3で割り切れ,5つ目ごとのFnはF5=5で割り切れます.
1876年,リュカはさらにすごい式
gcd(Fm,Fn)=Fgcd(m,n)
が成り立つことを証明しました.
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