■整数であるか? (その72)
連続するk個の自然数の積
n(n−1)・・・(n−k+1)
がk!で割り切れることは
n(n−1)・・・(n−k+1)/k!
が整数であることがいえればよいのであるが,
n(n−1)・・・(n−k+1)/k!=nCk
すなわち,組み合わせの総数=整数であるから明らかであろう.
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項比は
gk+1/gk=((k+1)^2)!/(k^2)!・(k+1)^2・・・(2k)^2・(2k+1)
((k+1)^2)!/(k^2)!=(k^2+1)(k^2+2)・・・(k^2+2k+1)
したがって,連続する2k+1個の自然数の積
(k^2+1)(k^2+2)・・・(k^2+2k+1)
には(k+1)の倍数が少なくとも2個,・・・,(2k)の倍数が少なくとも2個,(2k+1)の倍数が少なくとも1個あるかという問題になる.
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【1】グノモン分解による直接計算
(k+1)!をグノモン分解するほうがわかりやすい.すなわち,
(k+1)^2=1+3+・・・+(2k−1)+(2k+1)
として,k+1番目のグノモンが,
(k^2+1)(k^2+2)・・・(k^2+2k+1)
というわけである.
このグノモンにはkで割ると1余る数(nk+1),kで割ると2余る数(nk+2),・・・が順に並ぶが,(k+1)の倍数,(k+2)の倍数,・・・が順に並ぶわけではない.そこで,次のように考えることにする.
n(k+1)≦k^2+1となる最大の数nは,n=k−1であるから,連続する2k+3個の自然数よりなる区間[k^2−1,k^2+2k+1]には,(k+1)の倍数が少なくとも2個あることがわかる.(k+1)の倍数はk+1個ごとに1個存在するからである.区間[k^2−1,k^2]には存在しないから,区間[k^2+1,k^2+2k+1]には,(k+1)の倍数が少なくとも2個あることになる.
n(k+2)≦k^2+1となる最大の数nは,n=k−2であるから,連続する2k+5個の自然数よりなる区間[k^2−4,k^2+2k+1]には,(k+2)の倍数が少なくとも2個あることがわかる.もっと狭めて区間[k^2+1,k^2+2k+1]には(k+2)の倍数が少なくとも2個あることになる.
以下同様であるが,(2k+1)の倍数は2k+1個ごとに1個存在するから,連続する2k+1個の自然数よりなる区間[k^2+1,k^2+2k+1]には少なくとも1個存在する.
これで
(k^2+1)(k^2+2)・・・(k^2+2k+1)
には(k+1)の倍数が少なくとも2個,・・・,(2k)の倍数が少なくとも2個,(2k+1)の倍数が少なくとも1個あることが証明できたことになる.
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【2】雑感
グノモン分解による直接計算は,家計簿つけのシーンに似ている.まず行ごとの合計を求めてそれを総計する.次に列ごとの合計を求めてそれを総計する.そして計算が正しければその2つの計算結果は一致する.2通りに計算することをこのように喩えてみたが,かえってわかりにくくなったかもしれない.
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