■素数であるか? (その63)
【2】完全擬素数(カーマイケル数)
341は2を底とする最小の擬素数であったが,どんな底に対しても
a^p−a
がpで割り切れるとき,pを完全擬素数(カーマイケル数)という.
561は最小の完全擬素数であて,以下,
1105,1729,2465,2821,6601,8911,10585,・・・
と続く.無限に存在することが証明されている.
どのカーマイケル数も少なくとも3つの素因数を含む.
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【3】ラマヌジャン
数学者ハーディがラマヌジャンに会いに行ったとき,タクシーナンバーが1729という何の変哲もない数であったと彼に伝えたところ,ラマヌジャンは1729は2つの3乗数で2通りに表せる最小の数だと答えたというエピソードは大変有名である.
たしかに
1729=12^3+1^3=10^3+9^3
と書き表すことができるが,どうすればそんなことに気づくことができるのだろうか? 1728はそれよりも1小さい.したがって,
1728=12^3=12・12・12
専門的になるが,重さ0のモジュラー関数
j(z)=exp(−2iπz)+744+196884exp(2iπz)+・・・
において,z=iとおくと
j(i)=1728=12^3
という性質がこの逸話のもとになっている.それにしても,長い間,数について研究し,さまざまな関連性を熟知していなければ答えることができないことであろう.
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【4】カーマイケル数1729
1729=7・13・19はカーマイケル数で,底を2〜aに取り替えても一切反応しません.
a^6=1 (mod7)
a^12=1 (mod13)
a^18=1 (mod19)
より,
a^1728=(a^6)^288=1 (mod7)
a^1728=(a^12)^144=1 (mod13)
a^1728=(a^18)^72=1 (mod19)
つまり
a^1728=1 (mod1729)
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