■素数であるか? (その43)
チェビシェフの定理はn<p≦2nを満たす素数が少なくともひとつ存在することを示しているが,実際にはどれくらいあるのだろうか?
===================================
【1】フィンスラーの定理(x≧2)
x/(3log2x)<π(2x)−π(x)<7n/(5logx)
この定理の左半分の不等式
f(x)=x/(3log2x)<π(2x)−π(x)
において,
f’(x)=(log2x−1)/3(log2x)^2>0・・・単調増加
x=2^4のとき,f(x)=x/(3log2x)
=16/15log2>1
x≧16のとき,2≦π(2x)−π(x)
すなわち,x<p≦2xを満たす素数は少なくとも2個存在する.
さらに,x≧6のときは実際に,
2≦π(2x)−π(x)
が確かめられるので,x≧6のとき,2≦π(2x)−π(x),すなわち,n<p≦2nを満たす素数は少なくとも2個存在することが示された.
===================================
また,チェビシェフの定理は
pn+1<2pn (n≧1)
であるが,
pn+2≦pn+pn+1 (n≧2)が成り立つ.
===================================