■空間充填等面単体(その18)
(その17)で,正三角柱ができたことで,3次元等面四面体自身が正三角柱に充填でき,4次元等面単体の展開図が正三角柱に充填できるという事実は美しいと思われた.・・・しかし,これは一種の誤算であった.
3次元空間充填等面単体→2次元正単体柱を充填する
3次元空間充填等面単体の展開図→1次元正単体柱を充填する
4次元空間充填等面単体→3次元正単体柱を充填する
4次元空間充填等面単体の展開図→2次元正単体柱を充填する
n次元空間充填等面単体→n−1次元正単体柱を充填する
n次元空間充填等面単体の展開図→n−2次元正単体柱を充填する
しかし,正単体柱は空間充填図形ではないので,これでは空間充填性が損なわれてしまうからである.
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求めるべき結果は,3次元等面四面体自身が正三角柱に充填でき,4次元等面単体の展開図が二等辺三角(2,√3,√3)柱に充填できるというものである.そして,これを高次元に拡張できることはイメージできているが,構成的な証明が必要とされる.
かくして,検討を進めたところ,
[1]Δnは,断面がΔn-1である柱状空間充填が可能である.
[2]∂nは,断面が∂n-1である柱状空間充填が可能である.
ことが確かめられた.
これらは予想されたことではあるが,おもしろい関係である.実際に,柱状空間充填を帰納的に構成することができた.その手順はアルゴリズム化が可能である.
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