■素数生成多項式(その24)

オイラーの仕事のひとつに素数生成式があります.素数をかなりの確率で生成する公式,その値の多くが素数となる式です.たとえば,オイラーの2次式:

  f(x)=x^2+x+41

はx=0〜39に対して素数を与えます.オイラーの公式はx=40で1681=41^2となって破綻しますが,以下,x=42,43,45,46,47,48,50,51,52,53,・・・,1000万以下のxに対して47.5%の確率で素数を生成します.

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 オイラーの公式x^2+x+41のxをx−1に変換すればx^2−x+41,x−40に変換すればx^2−79x+1601が与えられます.x^2−x+c型では,逆に,ほとんど素数にならない式も見つけられています.

 十分大きい値xに対して,素数密度は0に近づきますから,cの大きさを制限しなければこの問題は無意味になります.そこで,1万以下のxに限定しますが,x^2−x+c型ではc=219525のとき,すなわち,

  f(x)=x^2−x+219525

の素数密度は2.33%だそうです.

 素数定理

  π(x)〜x/logx   (x→∞)

より,1万以下のxに対しての素数密度はおよそ

  1/log10^4=10.86%

ですから,x^2−x+219525が素数になりにくいことがおわかりいただけるでしょう.

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