■素数の無限性(その18)
1845年にフランスの数学者ベルトランは任意の数nと2nの間には少なくとも一つの素数pが存在する(n<p≦2n),同じことですが素数pの次の素数は2pより小さい(pk+1 <2pk )という予想を立てました.
50年以上たって,ロシアの数学者チェビシェフがベルトランの仮説を証明しました.この証明は彼が実に18才のときだったそうですから,「栴檀は双葉よりの芳し」の諺のごとくです.チェビシェフの定理によって,素数の分布には何らかの秩序が存在していることになります.
一方,n^2と(n+1)^2の間に常に素数があるかという予想(Opperman予想)は未解決です.例として3^2=9と4^2=16の間には2つの素数11,13が存在します.
調和級数Σ(1/n)は発散し,また,オイラー級数Σ(1/n^2)=π^2/6で収束しますから,素数は平方数ほどまばらには分布していないこともわかります.nが大きくなるにつれて素数の分布はまだらになりますが,n^2と(n+1)^2の間も広がります.
n^2と(n+1)^2の間に十分な数の素数が存在しなくなる可能性は常にあり,だれもこの予想を証明したりあるいは反例をあげたりすることができていないのです.
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