■ランダウの第2問題(その14)
双子素数が無限に多く存在するかどうかは今のところわかっていませんが,双子素数の分布に関しては,ハーディとリトルウッドによって,
πtwin(x)〜Cx/(logx)^2
ただし,pを3以上の素数として
C=2Π(1−1/(p−1)2)=1.3203・・・
と予想されています.この法則は経験的には正しそうであり,双子素数はたぶん無限組あると信じられています.
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素数定理によりxが近辺の数が素数である確率はおよそ
1/logx
である.たとえば,素数の平均的な間隔が100になるのはe^100の近辺である.
x+2が素数である確率もおよそ
1/logx
となるから,これらが双子素数となる確率はおよそ
1/(logx)^2
したがって,x以下の双子素数の組の数はおよそ
x/(logx)^2
となる.
それではCは何を意味しているのだろうか? じつはxとx+2が素数となる確率は独立していないので,上の議論を修正しなければならない.そのための補正項がCとなるのである.任意に選んだ2数がともにpで割り切れない確率は(1−1/p)^2であるが,2つの数(n,n+2)は差が2なので,両方ともpで割り切れない確率は(1−2/p)である.
よって,奇素数pに対しては係数
(1−2/p)/(1−1/p)^2=p(p−2)/(p−1)^2
=1−1/(p−1)2
素数2に対しては2をかけて補正を行う必要がある.そのための補正係数が双子素数係数
C=2Π(1−1/(p−1)2)=1.3203・・・
というわけである.
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