■素数生成多項式(その20)

【5】類数2の世界

 ついでながら,類数2の虚2次体Q(√d)は,

  −d=5,6,10,13,15,22,35,37,51,58,91,115,123,187,235,267,403,427

の18個あります.

 1変数の2次多項式ではn^2+n+41が高い確率で素数を生成し,それは類数が1となる虚2次体Q(√−163)と関係していたわけですが,2n^2+29なども高い確率で素数を生成します.

  2x^2+29

は,x=0,1,・・・,28において,連続する素数値をとる最適生成多項式の1つであって,類数2をもつ体Q(√−58)に対応しています.

 一般に,Q(√d)=Q(√−2p)が類数2をもつためには,

  2x^2+p

が0≦x≦p−1において素数値をとることが必要十分であって,そのようなd=−2pは

  d=−6,−10,−22,−58

で与えられます.類数2の虚2次体と関係した最適素数生成多項式は,このほかに2つのタイプがあることが知られています.

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【6】2x^2+29 (0≦x≦28)

x=0:29 x=10:229 x=20:829

x=1:31 x=11:271 x=21:911

x=2:37 x=12:317 x=22:997

x=3:47 x=13:367 x=23:1089

x=4:61 x=14:421 x=24:1181

x=5:79 x=15:479 x=25:1279

x=6:101 x=16:541 x=26:1381

x=7:127 x=17:607 x=27:1487

x=8:157 x=18:677 x=28:1597

x=9:191 x=19:751 x=29:1711=29・59

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