■素数生成多項式(その17)

 素数だけを与える1変数多項式は,存在しないことが証明されている.

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 1変数多項式をf(n)=a+bn+cn^2+・・・とする.

 

 f(1)=p  (素数)とすると,

 f(1+p・k)=a+b(1+p・k)+c(1+p・k)2+・・・

=f(1)+p・g(k)+p^2・h(k)+・・・

=f(1)+p・G(k)

=p(1+G(k))

となって,pはf(1+p・k)を割り切ることになるからである.

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1971年,旧ソ連のマチアセビッチは,素数全体をあるひとつのディオファントス方程式の解として表すことにも成功しています.すなわち,すべての素数をつくる式を生み出したことになるのですが,その式は37次で24個の変数をもつ多項式と21次で21個の変数をもつ多項式でした.これらの多項式は負の値もとり,また,素数は多項式の値として繰り返し出現します.

 すべての素数をもれなくつくり,しかも素数以外はつくらない公式は知られていません.素数を完全に定義する式が存在することは証明されていませんし,存在しないともわかっていません.

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