■素数の分解(その35)
4次元空間における任意の軸のまわりの回転は,どのような式で表されるのだろうか.
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3次元空間における回転において,球面上に不動点が少なくとも2点あったのに対し,4次元空間の場合は,超球面上のすべての点が動くことがわかっている.したがって,任意の平面の回りの回転
=[1,0,0,0]
[0,1,0,0
[0,0,c,−s]
[0,0,s,c]など6種類ある
とその平面に垂直な平面のまわりの回転を組み合わせなければならない.
そのためには,任意の2つの単位ベクトル
a=(a1,a2,a3,a4),b=(b1,b2,b3,b4)
で定まる平面のまわりにθ,それに垂直な平面のまわりにφ回転させることを考える.
[1]aに垂直で,a,bで定まる平面上の単位ベクトルdは
x=b−(a・b)a
d=x/|x|=(d1,d2,d3,d4) (シュミットの直交化法)
[2]変換行列は次式のようになる.
R(1,1)=c12A11+c2
R(2,2)=c12A22+c2
R(3,3)=c12A33+c2
R(4,4)=c12A44+c2
R(1,2)=c12A12−s1B12−s2B34
R(2,1)=c12A12+s1B12+s2B34
R(1,3)=c12A13−s1B13+s2B24
R(3,1)=c12A13+s1B13−s2B24
R(1,4)=c12A14−s1B14−s2B23
R(4,1)=c12A14+s1B14+s2B23
R(2,3)=c12A23−s1B23−s2B14
R(3,2)=c12A23+s1B23+s2B14
R(2,4)=c12A24−s1B24+s2B13
R(4,2)=c12A24+s1B24−s2B13
R(3,4)=c12A34−s1B34−s2B12
R(4,3)=c12A34+s1B34+s2B12
c1=cosθ,c2=cosφ,c12=c1−c2,
Aij=aiaj+didj,Bij=aid−diaj
4次元空間の図形なら,この行列による1回の変換だけでどの方向にも向けることができる.
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