■素数の分解(その24)
|a|・|b|=|c|,すなわち,平方数の和が積の演算で閉じていることを示す
(a1^2+a2^2+・・・+an^2)(b1^2+b2^2+・・・+bn^2)=(c1^2+c2^2+・・・+cn^2)
の恒等式は,n=1,2,4,8に対してだけ満たされるという驚くべき結果が19世紀末,フルヴィッツにより証明されています(1898年).
したがって,ある条件のもとで,数の体系は八元数までですべてであることが知られていて,数の系列は実数(一元数)→複素数(二元数:ガウス)→四元数(ハミルトン)→八元数(ケイリー)というようになっているのです.
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[まとめ]
フルヴィッツの有名な定理は,R,C,H,Oがそのような環のすべてであることを主張するものですが,その証明については
コンウェイ,スミス「四元数と八元数」,培風館
をご参照ください.
これらの環がモゥファン・ループになり,八元数に特記すべき三対対称性が現れるのである.三対性は双対性(duality)に対するもので,(triality)の訳であろう.
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