■リー群と表現(その36)

[補]直交変換(ユニタリ変換)

 

 2次元の対称行列

  H=[h11,h12]

    [h12,h22]

を対角行列

  Λ=[λ1,0]

    [0,λ2]

の形に変換してみましょう.これが直交変換と呼ばれる方法であって,楕円を標準形

  x^2/a^2+y^2/b^2=1

に直す場合などにしばしば用いられます.

 

 その際,

  R^(-1)HR=R’HR

が対角行列になるように回転行列のθを決定するのですが,非対角要素

  (h22−h11)cosθsinθ+h12(cos^2θ−sin^2θ)=0

より,

  tan2θ=2h12/(h11−h22)

したがって,

  θ=1/2arctan(2h12/(h11−h22))

にとればよいことがわかります.

 

 次に,3次元空間の場合についても,任意の対称行列Hに対して,Rを直交行列とし,

  R’HR=diag(λ1,λ2,λ3)

すなわち,対角行列となるような直交行列Rを見つけて標準形に変換することを考えます.ところが,実際にやってみると複雑すぎて,非対角要素を0とする3つのパラメータθ,φ,ψを決定することはできそうにありませんでした.→コラム「ロボットアームと6次元楕円体」

 

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