■リー群と表現(その16)
単純リー代数の分類のストーリーのあとに付け加わったのが,コクセターとディンキンによって導入されたルート系の組み合わせ論的分析にす系を用いるアプローチである.これらの図形はコクセター・ダイアグラムとかディンキン図形と現在では呼ばれている.
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【1】コクセター・ディンキン図形
ワイソフ構成において,1を◎,0を○で表し,隣接するもの同士を線分で結んだ記号.
対称群を生成する鏡と蝶番からなる万華鏡において,点が鏡を,線が蝶番を表している.1次元について1つの点すなわち鏡がコクセター・ディンキン図形に追加される.
また,線分の下の記された数字は鏡と鏡がなす角度を表す.たとえば3はπ/3=60°,5はπ/5=36°を意味する.数字が省略されているときは3すなわち60°で結ばれている,また,端点同士ははπ/2=90°で結ばれている2が省略されているとみなす.
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ディンキン図形は多種多様な分類問題、たとえば、単純リー環、特異点、正多面体、鏡映群などの分類に現れる。B,C,F,G型は多重辺含んでいるが
とくに単純辺のディンキン図形(simply laced)と呼ばれるものは、ADE型のディンキン図形のことであり、ガブリエルが1970年代初頭に証明した驚くべき定理「有限型の箙になるものはADE型のいずれかである」に現れる
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