■連分数展開の第n近似分数(その137)
【2】黄金比と白銀比
[Q]辺の比が1:xの長方形がある.この長方形を2等分してできた小さい長方形がもとの長方形と相似になるのは?
[A]1:x=2/x:1 → x=√2
[Q]長方形から正方形を切り取った後に残る長方形がもとの長方形と相似になるのは?
[A]1:x=x−1:1 → x=(1+√5)/2
√2とφ=(1+√5)/2は1辺と対角線の長さの比である特別な値であって,それぞれ白銀比,黄金比と呼ばれている.縦横比が白銀比,黄金比の長方形を考える.白銀長方形を長辺を2等分するように2つ折りにすると,一回り小さな白銀長方形が現れる.このことから白銀長方形は紙のサイズの規格になっている.一方,黄金長方形から正方形を取り除くと一回り小さな黄金長方形が現れてくる.黄金長方形も自己再現型図形としてよく知られている.
この操作は無限に続けることができるが,このことは黄金比,白銀比がそれぞれ,無限級数
1+1/φ+1/φ^2+1/φ^3+1/φ^4+・・・=φ^2
1+1/2+1/2^2+1/2^3+1/2^4+・・・=2
無限連分数
φ=[1:1,1,1,1,・・・]
√2=[1:2,2,2,2,・・・]
で表されることと同義である.
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【3】もうひとつの白銀比
[Q]長方形から正方形を2つ切り取った後に残る長方形がもとの長方形と相似になるのは?
[A]1:x=x−2:1 → x=1+√2
[Q]長方形から正方形をn個切り取った後に残る長方形がもとの長方形と相似になるのは?
[A]1:x=x−n:1 → x=(n+√(n^2+4))/2
これは黄金比のもうひとつの一般化であるが,この操作は無限連分数
(n+√(n^2+4))/2=[n:n,n,n,,n,・・・]
で表されることと同義である.
φ=[1:1,1,1,,1,・・・]
1+√2=[2:2,2,2,2,・・・]
(3+√13)/2=[3:3,3,3,3,・・・]
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「白銀比」は黄金比のある種の一般化である,周期長さ1をもつ周期的連分数として表すことのできる数として定義される.
τ+/-N=N±1/τ+/-N → x^2−Nx±1=0
より
τ+1=1+1/τ+1→t+1=φ
τ+2=2+1/τ+2→t+2=1+√2
τ-4=−4+1/τ-4→t-4=2+√3
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