■連分数展開の第n近似分数(その23)

  |α−p/q|<1/cq^2

  |qα−p|<1/cq

ではなく,与えられた2数α,βに対して

  |qα−p−β|<1/cq

というような評価が必要になることがある.

 ミンコフスキーは「数の幾何学」を用いて,

  |qα−p−β|<1/4q

となるような無限に多くの整数p,qが存在することを証明した.

 4が最良値であって,これより大きい値では置き換えられない.

 その拡張として,与えられたn個の独立な無理数に対して

  |q1α1+q2α2+・・・+qnαn−p|<1/q^n

q=max(q1,q2,・・・,qn)

  (p,q1,q2,・・・,qn)=1

となるような組(p,q1,q2,・・・,qn)は無限に多く存在する.

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[リューヴィルの定理]αがn(≧2)次の代数的数ならば

  |α−p/q|>c/q^n

がすべてのp,qに対して成り立つような定数cが存在する.

 nはn次の代数的数の最良近似位数ではない.ロスは2がn次の代数的数の最良近似位数であることを証明した.

 αが2次の無理数ならば

  |α−p/q|>c/q^2

がすべてのp,qに対して成り立つような定数cが存在する.2は2次の無理数の最良近似位数である.

 αがn(≧3)次の代数的数ならば

  |α−p/q|<c/q^n

となるようなp,qは高々有限個しか存在しない.

  |α−p/q|>c/q^λ,λ<n

がすべてのp,qに対して成り立つような定数c(α)とλ(α)は具体的に計算することができることが示されている.

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