■連分数展開の第n近似分数(その20)

 ファレイ数列では相隣り合う2項[m1/n1,m2/n2]の分母と分子からなる行列式の値m1n2−m2n1は±1である.すなわち,交差積m1n2とm2n1は連続する整数になる.

(証)[0/1,1/1]に対して,0・1−1・1=−1.ad−bc=−が成り立っているような[a/b,c/d]の間に,(a+c)/(b+d)を挿入すれば

  a(b+d)−b(a+c)=(a+c)d−(b+d)c=−1

 さらにl<nでかつa/b<k/l<c/dとなるようなk/lは存在しない.もし存在したとすれば

  k/l−a/b≧1/lb,c/d−k/l≧1/ld

  c/d−a/b≧(b+d)/lbd>1/bd

となって矛盾を生ずる.

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