■tan1°・cos1°・sin1°(その10)
角αがcosα=1/3(tanα=2√2)を満たすならばαはπの有理数倍ではないことを証明せよ。
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z=cosα+isinα=1/3+2/3・√(-2)
zはQ上3z^2+2z+3=02次方程式3z^2+2z+3=0の解である
zはQ上の2次体Q(z)を生成する。
もしαがαはπの有理数倍ならばα=p/q・2πと書ける。(p,q)=1
この場合、zは1の原始q乗根となり、最小多項式は円分多項式、その次数はφ(q)である。
今の場合、φ(q)=2
しかし、φ(q)=2を与えるqは3,4,6のみ。
Φ3(x)=x^2+x+1
Φ4(x)=x^2+1
Φ6(x)=x^2−x+1
対応する拡大体はQ(i)とQ(√(-3))となって、どちらもQ(√(-2))でない→矛盾。
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x^n−1の因数分解が,nの約数dを使って次のように書かれることを考えます.
x−1=Φ1(x)
x^2−1=Φ1(x)Φ2(x)
x^3−1=Φ1(x)Φ3(x)
x^4−1=Φ1(x)Φ2(x)Φ4(x)
x^5−1=Φ1(x)Φ5(x)
x^6−1=Φ1(x)Φ2(x)Φ3(x)Φ6(x)
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
x^18−1=Φ1(x)Φ2(x)Φ3(x)Φ6(x)Φ9(x)Φ18(x)
x^36−1=Φ1(x)Φ2(x)Φ3(x)Φ4(x)Φ6(x)Φ9(x)Φ12(x)Φ18(x)Φ36(x)
すると,円分多項式は(最初の数個)
Φ1(x)=x−1
Φ2(x)=x+1
Φ3(x)=x^2+x+1
Φ4(x)=x^2+1
Φ5(x)=x^4+x^3+x^2+x+1
Φ6(x)=x^2−x+1
Φ7(x)=x^6+x^5+x^4+x^3+x^2+x+1x−1
Φ8(x)=x^4+1
Φ9(x)=x^6+x^3+1
Φ12(x)=x^4−x^2+1
Φ15(x)=x^8−x^7+x^5−x^4+x^3−x+1
Φ16(x)=x^8+1
Φ18(x)=x^6−x^3+1
Φ24(x)=x^8−x^4+1
Φ36(x)=x^12−x^6+1
と定まります.
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