■18世紀における微積分(その177)
補足しておきたい.
[1]中心極限定理はnが大きいときには4次以上のモーメントに依存する項からの寄与がなくなり,2次のモーメントだけに依存する振る舞いが得られることを意味する.
[2]ガウス型直交アンサンブル(GOE)では
exp(−trS^2/2)=Πexp(−trSjj^2/2)Πexp(−trSij^2/2)
となって,実対称行列Sの対角要素がN(0,1),非対角要素がN(0,1/2)にしたがう.
[2]ガウス型ユニタリーアンサンブル(GUE)の固有値の局所相関係数は
1−(sinπω/πω)^2
が得られる.
モンゴメリーは正規化されたゼータ関数の零点のペアに関する相関を調べ,ダイソンはそれがランダムなユニタリ行列の固有値の相関関係
1−(sinπΔE/πΔE)^2
と同じものであることに気づいたというわけである.
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