■18世紀における微積分(その146)
[Q]三角形ABC内に点Pをとり,AP,BP,CPの延長と対辺との交点をD,E,Fとする.三角形DEFの面積が最大になるのはどのようなときか?
[A]Pが重心で,D,E,Fが各辺の中点のとき.
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[参]一松信「多変数の微分積分学」現代数学社
に一松先生お得意の重心座標による解法が掲載されているので紹介したい.
OP↑=x・OA↑+y・OB↑+z・OC↑,x+y+z=1
重心座標D(0,y/(y+z),z/(y+z))
△DEF/△ABC=(分子)/(y+z)(z+x)(x+y)
分子=|0,y,z|
|x,0,z|
|x,y,0|
より,x+y+z=1の下で
△DEF/△ABC=2xyz/(1−x)(1−y)(1−z)
の最大値を求める問題となる.
逆数をとれば
(xy+yz+zx−xyz)/xyz=(1/x+1/y+1/z)−1ぼ最小値を求める問題となる.
コーシーの不等式
(x+y+z)((1/x+1/y+1/z)≧9
より,x=y=z=1/3
すなわち,Pが重心のときとなる.
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