■18世紀における微積分(その121)
スターリングの図形的第1近似について考えてみたい.
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もとのn次元正軸体の1象限の体積は1/n!.また,切頂後2個で1辺の長さ(2/n)の立方体ができるから,不等式
2^n/2≦n^n/n!≦2(n/2)^n
が成り立つことがわかる.この不等式は,スターリングの不等式から明らかかもしれないが,図形的に示すことができることは面白いだろう.
一方,
n!^2=(1・2・・・n)(n・・・2・1)=Πk(n+1−k)
Πn≦n!^2≦Π(n+1)^2/4
より
n^n/2≦n!≦(n+1)^n/2^n
2^n(1+1/n)^-n≦n^n/n!≦n^n/2
が成り立つ.
ここで,
(1+1/n)^n
は増加数列で
2≦(1+1/n)^n≦e
あるので,
2^n/2≧2^n(1+1/n)^-n
また,
n^n/2≦(n/2)^n≦2(n/2)^n
であることも明らかであろう.
以上より
2^n(1+1/n)^-n≦2^n/2≦n^n/n!≦n^n/2≦2(n/2)^n
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