■18世紀における微積分(その93)
ルーローの三角形PQRはいかなる向きにおいても1辺の長さがPQと等しい正方形ABCDに内接する.その際,
(1)円弧上の点を接点として転がるとき,円の中心は直線y=a上を基線上の接点と平行に動く
(2)正方形の4辺に接する接点を結ぶ線分は直交する
[Q]AB=PQ=2aとして,ルーローの三角形の重心の軌跡を求めよ.
[参]阿原一志「考える微分積分」数学書房
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正方形の中心を原点とする.
P(x,a),Q(−a,y),R(X,Y)
とおくと,PQ=2aであるから
(x+a)^2+(y−a)^2=4a^2 → y=f(x)
PQの中点M((x−a)/2,(y+a)/2)とRを結ぶ線分がPQと直交することより,
(y−a)/(x+a)・((y+a)−2Y)/((x−a)−2X)=1
MR=√3aより,
((x−a)−2X)^2+((y+a)−2Y)^2=12a^2
また,PR=QR=2aより,
(X−x)^2+(Y−a)^2=(X+a)^2+(Y−y)^2=4a^2
ルーローの三角形の重心(ξ,η)は
(ξ,η)=((X+x−a)/3,(Y+y+a)/3)
であるが,
y=f(x),X=g(x,y),Y=h(x,y)
として,この軌跡が2次曲線(楕円)であることを示せればよい.
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(y−a)^2/(x+a)^2=4a^2/(x+a)^2−1
((y+a)−2Y)^2/((x−a)−2X)^2=12a^2/((x−a)−2X)^2−1
より,
(4a^2/(x+a)^2−1)(12a^2/((x−a)−2X)^2−1)=1 → X=g(x)
(X−x)^2+(Y−a)^2=4a^2 → Y=h(x,X)=h(x)
ここまでくれば,
ξ=(X+x−a)/3
η=(Y+y+a)/3
の軌跡が求まる(はずである).
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