■既約性判定基準(その172)
3次方程式f(x)=x^3+bx+c=0のひとつの根をαで表す.
x^3+bx+c=(x−α)(x^2+αx+α^2+b)
より,他の2根は
−α/2±(−(3α^2+4b)^1/2/2
となる.
また,最小分解体は
Q(α,β)=Q(β,γ)==Q(γ,α)=Q(α,D(f))
となり,3次方程式の構造とその最小分解体が明確に対応していることがわかる.
ところで,j-不変量は3次曲線の構造を与えるひとつの例であり,射影変換によって互いに写り合う3次曲線は同型とみなされるのである.
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【1】群の例
群とは集合に演算を入れたものです.6つの有理関数
f1(x)=x,f2(x)=1−x,f3(x)=1/x,f4(x)=1/(1−x),
f5(x)=(x−1)/x,f6(x)=x/(x−1)
を考えます(x≠0,1).2つの関数の合成,たとえば,
f2・f3(x)=f2(f3(x))=1−1/x=(x−1)/x=f5(x)
ですから,f2・f3=f5とします.
すると,この6つの関数は群となります.
| f1 f2 f3 f4 f5 f6
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
f1 | f1 f2 f3 f4 f5 f6
f2 | f2 f1 f5 f6 f3 f4
f3 | f3 f4 f1 f2 f6 f5
f4 | f4 f3 f6 f5 f1 f2
f5 | f5 f6 f2 f1 f4 f3
f6 | f6 f5 f4 f3 f2 f1
なお,位数がnの有限体はnが素数と素数の累乗の場合だけに限られます.すなわち,位数が2,4,8,16,32,・・・の有限体,3,9,27,81,243,・・・の有限体はあるのですが,6や15の有限体はないのです.
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