■既約性判定基準(その147)
pが素数であるとき、p^m個の元をもつ有限体は重要であるが、たとえば、m=2、4個の要素をもっている有限体を
F4={0,1,2,3}
で解釈しようとすると
2・2=4=0
したがって、2x=0は2つの解x=0,x=2をもつし
2x=1は解をもたない。言い換えれば2の逆数は存在せず、これでは体を構成できない。
===================================
それではどのようにして4つの要素をもつ体を構成するのか?
===================================
【1】4元ガロア体
スカラー関数ではなく、ベクトル関数を選ぶのである。
{(0,0),(1,0),(0,1),(1,1)}
加算は繰り上げを除けば要素ごとに行う。
(1,0)+(0,1)=(1、1)
(1,1)+(1,0)=(0、1)
乗算は(0,0)を0要素、(1,0)を1要素と定めると
残り2つの要素は逆要素でなければならないので
(0,1)・(1,1)=(1、0)
(0,1)・(0,1)=(1、1)
などと決めることができる
===================================