■既約性判定基準(その134)

pを奇数の素数とします。

{0,1,2,・・・,p−1}のp個の数の世界は四則演算が定められた有限集合で、有限体あるいはガロア体Fpと呼ばれます。

p=5の場合の掛け算は、

f(x)=exp(-(x-α)/β)/{1+exp(-(x-α)/β)}^2

   1  2  3  4

1  1  2  3  4

2  2  4  1  3

3  3  1  4  2

4  4  3  2  1

となって、どの行どの列にも{1,2,3,4}が一つずつ並んでいます。

Fpにおいても、a^p-1=1 (フェルマーの小定理)、(p-1)!=-1 (ウィルソンの定理)が成り立ちます。

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また、

1・1=1

2・2=4

3・3=4

4・4=1

ですから、1と4は平方数です。これらは整数の世界でも平方数ですが、次にF7を考えてみます。

   1  2  3  4  5  6

1  1  2  3  4  5  6

2  2  4  6  1  3  5

3  3  6  2  5  1  4

4  4  1  5  2  6  3

5  5  3  1  6  4  2

6  6  5  4  3  2  1

対角線に並ぶ数字を見ると

3・3=2

4・4=2

より2も平方数になります。整数の世界では平方数でない数が、有限個の数の世界では平方数になるのです。

{1,4,2}は平方数となるのですが、{1,2,3,4,5,6}のちょうど半分

もっと正確にいうと、Fpにおいて、0は平方数であり、0以外の数についてはp-1個のちょうど半分が平方数となります。

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