■既約性判定基準(その10)
n<105のとき、Φn(x)に現れる0以外の係数は±1だけであるが、
Φ105(x)には2か所に-2が現れる。ほかの係数が現れる最低次数のの円分多項式である。
その理由は105が3つの奇素数の積である最小の整数であるからである。
それとは直接関係ないと思われるが…
===================================
中国剰余定理「m1〜mkを2つずつ互いに素とする.このとき,
x=c1 (mod m1)
・・・・・・・・・・・・・
x=ck (mod mk)
はΠmiを法として,ただひとつの解をもつ」の練習問題を掲げておく.
===================================
[Q]連立合同式
x=2 (mod3)
x=1 (mod4)
x=3 (mod5)
を計算しよう.
x=x1+3x2+12x3とおいて,最初の式に代入する.→x1+3x2+12x3=x1=2 (mod3)→x1=2がこの合同式の解である.
→x=2+3x2+12x3を2番目の式に代入する.→2+3x2+12x3=2+3x2=1 (mod4)→3x2=−1 (mod4)→x2=1がこの合同式の解である.
→x=5+12x3を3番目の式に代入する.→5+12x3=3 (mod5)→12x3=−2 (mod5)→x3=4がこの合同式の解である.
x=53となるので,中国剰余定理より連立合同式の解は
x=53 (mod60)
である.
===================================
【1】百五減算
上のような問題を以下のように書き換えることにする.
p1,p2,p3が互いに素であるとき,p1で割って余りがr1,p2で割って余りがr2,p3で割って余りがr3になる自然数Aは一意に定まる.さらに,p1で割って1余る数かつp2p3の倍数をx,p2で割って1余る数かつp3p1の倍数をy,p3で割って1余る数かつp1p2の倍数をzとするとき,特殊解
A=xr1+yr2+zr3
が得られる.
[Q]連立合同式
x=2 (mod3)
x=1 (mod5)
x=5 (mod7)
を計算しよう.
p1で割って1余る数かつp2p3の倍数をx=70
p2で割って1余る数かつp3p1の倍数をy=21
p3で割って1余る数かつp1p2の倍数をz=15
A=xr1+yr2+zr3=70・2+21・1+15・5=236
p1p2p3=105
206−105・2=26
[Q]連立合同式
x=2 (mod3)
x=3 (mod5)
x=2 (mod7)
を計算しよう.
p1で割って1余る数かつp2p3の倍数をx=70
p2で割って1余る数かつp3p1の倍数をy=21
p3で割って1余る数かつp1p2の倍数をz=15
x=2 (mod3)
x=1 (mod4)
x=3 (mod5)
A=xr1+yr2+zr3=70・2+21・1+15・2=191
p1p2p3=105
191−105=86
===================================