■既約性判定基準(その4)

[1]アイゼンシュタインの基準

 f(x)=anx^n+・・・+a0

 pを素数とする.

 a)anはpで割り切れない.

 b)an-1,・・・,a0はpで割り切れる.

 c)a0はp^2で割り切れない.

のとき,既約多項式である.(f(x)はQ上既約)

(証)f(x)=g(x)h(x)とする.

  g(x)h(x)=anx^n  (modp)

 g,hの主係数を除くすべての係数はpの倍数であるから,p^2はb0c0=a0を割り切る.

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 x^5−80x−5=0は代数的には解けない方程式です.(f(x)はQ上既約)

 a)1は5で割り切れない.

 b)80,5は5で割り切れる.

 c)1は25で割り切れない.

 x^3+6x−2=0は代数的には解けない方程式です.(f(x)はQ上既約でない)

 a)1は2で割り切れない.

 b)6,2は2で割り切れる.

 c)1は4で割り切れない.

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 f(x)=x^4−10x^2+1(f(x)はQ上既約)

f(x)=(x-a)(x^3+bx^2+cx+d),   a,b,c,dは整数

-ad=1,a,dは整数であるからa=+/-1,

しかしf(a)=-8≠0よりこれは矛盾。

f(x)=(x^2+ax+b)(x^2+a'x+c),   a,a',b,cは整数

a+a'=0

f(x)=(x^2+ax+b)(x^2-ax+c)=x^4+(b+c-a^2)x^2+a(c-b)+bc

a^2-b-c=10

a=0またはb=c

b=+/-1,c=+/-1

a=0とするとb+c=-10、これは矛盾。

b=cとするとa^2=12またはa^2=8,これも矛盾。

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