■直観幾何学研究会2024(その34)
複数の棒を互いに結合してできる連接棒を「リンク装置」と呼びます.パンタグラフのようなリンク装置を利用すると拡大・縮小が可能になりますが,たとえば,円錐曲線をすべて描けないかという問題も生まれてきます.
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[1]零線問題
2点からの距離の比が等しい点の軌跡
2点からの距離の平方の和が一定の点の軌跡
2点に対し、それを見込む角が一定である点の軌跡
このような点の軌跡は円である.
[2]一線問題・二線問題
2点からの距離が等しい点の軌跡
2点からの距離の平方の差が一定の点の軌跡
2直線への距離が等しい点の軌跡
2直線への距離の比が一定の点の軌跡
交わる2直線への距離の和が一定の点の軌跡
このような点の軌跡は直線である.
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[3]三線問題・四線問題
a)三線問題:ひとつの直線への距離の平方が,ほかの2直線への距離の積に対して与えられた比をもつ点の軌跡を求める問題
b)四線問題:1組の直線への距離の積が,ほかの2直線への距離の積に対して与えられた比をもつ点の軌跡を求める問題
ユークリッドが考察していたとされ,アポロニウスが取り上げ,パップスが成果をあげた三線問題,四線問題の軌跡は円錐曲線です
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[4]五線問題・六線問題
三線問題・四線問題の点の軌跡は円錐曲線であるが、デカルトはn本の直線の場合に一般化し,完全な解答を与えた.すなわち,3本ないし4本の直線が与えられたときには2次曲線になり,5本ないし6本(五線問題,六線問題)では3次曲線になり,直線が2本加わるたびに次数が1次増加する
2次曲線のみならず高次曲線作図器も製作されていて,たとえば,ヤコブ・ベルヌーイのレムニスケート(4次曲線)は単純なリンク装置を使って描くことができます.
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