■直観幾何学研究会2024(その29)
[1]ジェームズ・ワットの蒸気機関
1784年、ジェームズ・ワットは蒸気機関のピストンロッドをほぼ直線状に動かす単純なリンケージを発明した.
ワットのリンク機構は8の字型の軌跡を描くがレムニスケートとは似て非なる性質をもち、ほぼ直線の部分は、蒸気エンジンのピストンロッドを効率よく動かすことができる(産業革命を引き起こした大発明である)
ワットはルーローへの書簡の中で自分がこれまでの発明したメカニズムの中で最も誇りとしていると書いています.
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[2]コペルニクスの定理
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[3]ポースリエの反転器
ポースリエの反転器は円運動を直線運動に,直線運動を円運動に変換する機構で,リンク装置の用途は多方面にわたっています.
円運動を直線運動に変換することは水車や蒸気を動力とする産業革命の中心的な技術であるが,ワットの近似直線機構から80年たった1864年,フランスの陸軍大将ポースリエによって,精確に直線に沿って動くリンケージが考案された.蝶番付き平行四辺形を使って実現される
ワットのリンケージは近似的な解にすぎなかったが,ポースリエの反転器は真正直線機構という機構学的問題のひとつの解答となった.彼はこの功績によりフランス学士院賞を受賞した.
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[4]ハートの反転器
リンク数は多くなると機械として実質的に動かなくなるので,リンク数の少ない単純な仕組みが望まれる.ポースリエの反転器が7リンクであるのに対して,1875年,ハートは5リンクから構成される直線運動メカニズムを構成した.4本にまでリンク数を少なくすることはできない.
いまはCADに代わっているが、かつての製図台(ドラフタ)には平行な直線を何本も引くことができる便利な機能があって、この機構が応用されていた
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