■シンク関数の2分割(その76)

 ζ(s)の零点がs=1/2+tiの線上にあるというのが有名なリーマン予想である.一方,リー・ヤンの円定理とは,ある多項式

  P(z)=Σajz^j

の根がずべて単位円|z|=1上に載っているという定理である.

 両者は言明の内容が似ていると感じられるだろう.少なくともビーベルバッハ予想

 「Bieberbach(ビーベルバッハ)予想 (ルイ・ド・ブランジュの定理)」

  単位円盤の内部(|z|<1)で,正則単葉な複素関数 f が級数

f(z) = z + a2z^2 + a3z^3 + ... + anz^n + ...で与えられ,ある n に対して |an| > 1 となっていれば,f は単位円盤の内部で 0 になる.

以上の類似物であることは確かであろう.

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 なぜ,このような話をしたかというと,リーマン予想の解き方のひとつに

  ζ(a,s)=s/(s-a)

  ζ(a,b,s)=(s-a)(s-b)/(s-a-b)s=ζ^-1(a,s)ζ(a,s-b)

  ζ(a,b,c,s)=(s-a-b)(s-b-c)(s-c-a)s/(s-a-b-c)(s-a)(s-b)(s-c)=ζ^-1(a,b,s)ζ(a,b,s-c)

のようなものを導入することが考えられているからである.

 詳細については

  [参]黒川信重「リーマン予想を解こう」技術評論社

をご覧下さい.

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