■シンク関数の2分割(その16)
階乗n!の近似値を与える公式として有名なスターリングの公式があります.
n! 〜 √(2πn)n^ne^(-n)
スターリングの公式では,n=8のとき相対誤差は約1%ですが,nが大きくなるほど相対誤差は小さくなります.
ところで,n次元正軸体の切断による体積より,不等式
2/n!≧(2/n)^n
が成り立つことがわかっています.
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【1】証明
n!≦2(n/2)^n
n!/n^n≦1/2^n-1
1/n・2/n・・・(n−1)/n・n/n≦1/2^n-1
であることを証明すればよい.
左辺に対して,相加平均・相乗平均不等式を適用すると
左辺≦(Σk/n^2)^n=((n+1)/2n)^n=1/2^n(1+1/n)^n
ここで,(1+1/n)^nは増加数列で,
2≦(1+1/n)^n≦e
より,
左辺≦2/2^n=1/2^n-1
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【2】雑感
1/n・2/n・・・(n−1)/n・n/n≦1/2^n-1
であることを証明できた.
スターリングの公式
n! 〜 √(2πn)(n/e)^n
は面白い公式で,たとえば,
n!/n^n 〜 √(2πn)/e^n
1/n・2/n・・・(n−1)/n・n/n 〜 √(2πn)/e^n
として,全体のn乗根をとればk/nの相乗平均が大まかに1/eに近いことがわかるだろう.
あるいは
1/n・2/n・・・(n−1)/n・n/n≦1/2^n-1
より,k/nの相乗平均が大まかに1/2に近いといったほうがいいかもしれない.
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