■素数と無限級数(その143)
よく知られた結果
1−1/2+1/3−1/4+・・・=log2
は
log(1+x)=x−x^2/2+x^3/3−x^4/4+・・・
から得られる.
xを−xで置き換えた級数
log(1−x)=−x−x^2/2−x^3/3−x^4/4−・・・
を組み合わせると
log(1+x)/(1−x)=2(x+x^3/3+x^5/5+x^7/7+・・・)が得られる.
|x|<1でしか有効ではないが,このとき,(1+x)/(1+x)はすべての正価を取ることができる.
たとえば,
(1+x)/(1−x)=2 → x=1/3
したがって,
log2=2(1/3+1/3・3^3+1/5・3^5+1/7・3^7+・・・)
が成り立つ.
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この級数はlog2を計算するために有効であるが,それに対して
Σ1/k2^k=1/1・2+1/2・4+1/3・8+1/4・16+・・・
=log2
は2進法で表したlog2のある特定の桁(たとえば1000兆桁目)の数字を計算するのに使える公式である.
BBP公式
π=Σ(4/(8n+1)−2/(8n+4)−1/(8n+5)−1/(8n+6))(1/16)^n
は16進法で表したπのある特定の桁(たとえば1000兆桁目)の数字を計算するのに使える公式である.
しかし,πの100万桁目の数字は7である(真偽は確かめていない)とはいってもそれに対する評価はまちまちである.ある人にとっては,ほとんど興味を引かない事実であろう.なぜこれに興味が湧かないかは,それが偶然のものでしかなく,その域を出ていないと感じるからであろう.
しかし,πのある特定の桁の数字(1000兆桁目の数字は0),それよりも前の桁を求めずに計算できる.
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それよりも前の桁を知らずに計算する方法は
π^2,π^3,π^4,(log2)^2,(log2)^3,πlog2,π^2log2やカタラン定数G,ζ(3),ζ(5)などでも見つかっている.
G=1/1^2−1/3^2+1/5^2−1/7^2+1/9^2−・・・=0.911・・・
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