■素数と無限級数(その134)

 オイラーは何年も,オイラー級数(1735年)

  π^2/6=1+1/2^2+1/3^2+1/4^2+1/5^2+・・・

にとりつかれて,そこに円周率πが現れることに大いに驚き,感動したのであった.

 グレゴリー・ライプニッツ級数(1673年)

  π/4=1−1/2+1/5−1/7+1/9−1/11+・・・

の左辺にも半径1の円の円周の長さπがおかれている.

 この式の右辺は

  (1+1/3)^-1(1−1/5)^-1(1+1/7)^-1(1+1/11)^-1(1−1/13)^-1・・・

と書き直すことができる.

 すなわち,4で割って3余る素数のところに

  (1+1/p)^-1

4で割って1余る素数のところに 

  (1−1/p)^-1

とおくと,

  4=2π・1/2・(1+1/3)(1−1/5)(1+1/7)(1+1/11)(1−1/13)・・・

  加藤和也「素数の歌が聞こえる」ぷねうま舎

によると,分子のπは(実数世界での円の長さ)・(2進整数の世界での円の長さ)・(3進整数の世界での円の長さ)・(5進整数の世界での円の長さ)・・・となって,πを素数達が協力しあって生み出している様子を表している

一方,π/4=1−1/2+1/5−1/7+1/9−1/11+・・・の分母の4は円x^2+y^2=1上に整数点が4個あることを表しているという.(ガウスの整数の中の単数が全部で、1,-1,i,-iの4個であることに対応しているのである).

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1+1/2+1/3+1/4+1/5+・・・=∞の自然な拡張で

Σ1/n=Π1/(1-1/p)=Πp/(1-1/p)=2/1・3/2・5/4・7/6・11/10・13/12・17/16・19/18・・・=∞

これに倣って

  π/4=1−1/2+1/5−1/7+1/9−1/11+・・・

 すなわち,4で割って3余る素数のところに

  (1+1/p)^-1

4で割って1余る素数のところに 

  (1−1/p)^-1

とおくと,

L(1)=3/4・5/4・7/8・11/12・13/12・17/16・19/20・23/24・・・=π/4  (メルテンスの定理)

L(1)=1-1/3+1/5-1/7+1/9-1/11+1/13-・・・=π/4  (マーダヴァ級数/ライプニッツ級数)

に書き直したというわけである

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