■素数と無限級数(その38)
(その35)〜(その37)に掲げた,チェビシェフの粗い素数定理
c1x/logx<π(x)<c2x/logx
の複素関数論を用いない証明についての解説が
[参]小山信也「素数とゼータ関数」共立出版
にもある.購読されたい.
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【1】ハーディ・リトルウッド予想
1^2+1=2 (素数)
2^2+1=5 (素数)
4^2+1=17 (素数)
6^2+1=37 (素数)
8^2+1=65 (素数でない)
10^2+1=101 (素数)
n^2+1型素数は無数にあるでしょうか? これも無数に存在すると予想されていますが,証明はわかっていません.
n^2+1型素数が無限に存在するかどうかは未解決問題ですがが,数n=k^2+1が素数である確率は,おおよそ
1/logn・1/√n
したがって,
πq(x)〜C∫(2,x)dt/(logt・√t)〜C√x/(logx)
と予想できます.ハーディとリトルウッドはCの値も決定しています.
C=Π(1−χ(p)/(p−1))
n^2+1=0 (modp)→ χ(p)=1
n^2+1≠0 (modp)→ χ(p)=−1
C=Π(1−(−1)^(p-1)/2/(p−1))=1.3727・・・
一般に,2次式,たとえば,
n^2+1型素数,n^2+2型素数
は無数にあるでしょうか? これも無数に存在すると予想されていますが,証明はわかっていません.一般に
an^2+bn+c型素数
は無限に存在すると予想されています(ハーディ・リトルウッド予想).
πq(x)〜C√x/√a(logx)
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【2】ブニャコフスキー予想(1857年)
n^2+1のように自明な因数をもたないnの任意の多項式は,無限個の素数を表す.
n^2+n+2は常に2で割り切れる.
n^2+n+41はn=−40〜40に対して素数である.
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