■コラッツ予想(その39)
任意の自然数nに対して
[1]nが奇数ならば,3n+1
[2]nが偶数ならば,n/2
にする.この工程(HOTPO手順,half or triple plus one)を繰り返し行うと常に1に到達するというのがコラッツ予想である(1930年代).
実行されたnに対しては必ず1で終結している.
6→3→10→5→16→8→4→2→1
10→5→16→8→4→2→1
11→34→17→52→26→13→40→20→10→5→16→8→4→2→1
このアルゴリズムは必ず終結するだろうか?(1→4→2→1というループに入るであろうか?) 1960年代に,角谷静夫がこの問題を知り,母校のエール大学に広めたが誰も解決することはできなかった.最近証明が発表されたが,その証明は不完全であって,いまのところ未解決である.
最後が1にならない数が存在することを証明できれば,自然数を結びつける新たなパターンから予想外の展開に繋がる可能性があるのだそうだ.
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1970年代、テラスとエベレットは
すべての自然数→ほとんどすべての自然数
1に行く→元の数より小さくなる
と、コラッツ予想を弱めた。
そして、確率論的な意味で、タオによりコラッツ予想(偶数なら2で割り、奇数なら3倍して1を足すとしう操作を繰り返すと、どんな自然数でも必ず1になる)は「ほとんど」解決された。
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[1],[2]が均等に出現したら、約1.5倍になるので、元の数より大きくなる。それだと1にはならない。そこで
[1]nが奇数ならば,(3n+1)/2・・・(3n+1)は偶数
[2]nが偶数ならば,n/2
と考えると約0.75倍になるので、元の数より小さくなる。
さらに、常に1に到達するためには,途中で2^nになる必要がある. 16→8→4→2→1
したがって, 3n+1=2^mを満たす解(n,m)をすべて求めよという問題を考えることができる.
そのため、Nが含む素因数2の個数をν2(N)とおく。
ν2(8)=3
ν2(10)=1
ν2(1024)=10
[1]nが奇数ならば,(3n+1)/2^ν2(3n+1)
[2]nが偶数ならば,n/2^ν2(3n+1)
Syr(n)=(3n+1)/2^ν2(3n+1)なる関数を考えれば、コラッツ予想は,
Syr(Syr(・・・Syr(N)・・・))=Syr(N)^n=1
で表すことができる。
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1970年代、テラスとエベレットは
ほとんどすべての奇数Nに対してSyr(N)^n<Nとなることを証明した。
1990年代、Syr(N)^n<N^0.7942まで改良されたが、それではまだ1には遠く及ばない。
タオは無限に発散する任意の増加関数をf(N)として
Syr(N)^n<f(N)
を証明した。
画期的な進展なのか?まだ全然届いていないのか?
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